菊池さんは干物屋「旭洋丸水産」の主人で、現在炭焼きをなさっている数少ないうちのおひとりです。
炭は店の試食に使うとのことですが、炭焼きをする本当の理由は体作りなんだそうです。
体作りの趣味(?)が高じて、店の壁や天井を、近くの山から自分で切り出した竹で作り上げたという、パワフルなおじいさんです。

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旭洋丸水産
素朴な感じが風情を漂わせています
これを作ってしまうんだから、もう脱帽です
あ、干物すごくおいしかったです

 

では、炭焼きのお話へ

炭焼きについて

手順

釜を作る

炭焼きは釜がなくては始まらない。8tの赤土と耐火セメントのブロックを使って、しゃがんだ人間が中で楽々作業できるくらいの容積の釜を作る。入り口は小さめにし、入り口の反対側に煙突をつける。釜の周りにはトタンで壁と屋根を作り、雨よけにする。 この作業をするときは、知り合いの技術を持つ人々の協力を得た。

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木を切って来る

材料となる木材を切ってくる。 樹種は、ウバメガシ、クヌギ、シイなど。商品としてはウバメガシかそれ以外で区別し、「ウバメガシ」or「雑木(ザツボク)」となる。 チェーンソーを用いる。

木を割る

チェーンソーで長さ30〜40cmほどの丸太にした木材を、ヨキを使って細くする(だいたい人間の上腕プラス握りこぶしぐらいの大きさにする)。この形がおおむね完成した炭の形となる。

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木を縛る

ヨキで細く切った木を10本くらいずつ針金でまとめる。

木を釜に入れる

釜の奥の方から手前の方まで、地面から天井まで、隙間なく木を詰め込む。そのとき縛った木から入れていくが、天井近くなどに隙間ができそうだと、縛っていない木を使ってそこを埋める。一人でやると半日かかる。

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釜に木でふたをする

ヨキで割っていない、50cmほどの丸太を数本使って釜にふたをする。それほどきれいには閉じない。

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更に木を積む

木のふたの手前に縛っていない木を積む。

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ブロックでふたをする

釜の入り口に泥とブロックを使ってふたをする。このブロックと前の行程の木のふたの間の部分に火をつけるので、ブロックの壁の一番下には隙間がある。しかしそれ以外の部分では、ブロックとブロックの間に泥をしいたり塗り込んだりして隙間が生じないようにかなり気を使う。ここに隙間があると炭にならない。 このとき使う泥は土と灰と水を混ぜたもの。

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火をつける

本業の干物屋で魚を入荷したときの入れ物である木箱を破壊して薪にする。着火するときには薪の上に発泡スチロールをおき、それにマッチで火をつける。

ふたをする

これまでに作った木のふたとブロックのふたの間、つまり木が燃えている部分に、上からブロックでふたをする。ここでも泥をつかって隙間ができないようにする。隙間があると炭にならない。

燃やす

約三日間、薪を足しながら燃やす。

さます

4〜5日間、火を消して釜をさます。これをやらないと熱くて炭が取り出せない。

取り出す

釜から出来上がった炭を取り出す。炭は干物屋で試食用に干物を焼くのに使う。

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人生観について

菊池さんは干物屋を始めるまでに複数の職に就いていた。その経験をもとに以下のことを語った。 「今の人は一つの職業を極めていく感じだけれども、世の中やることは居場所に応じていくらでもあるのだから、その時々、いろんなことをやってみてもいいのではないか」

猫について

干物屋・旭洋丸水産の近くには多くの猫がうろつき昼寝をしている。中には店の商品ケースの下に陣取っているものや、試食用のイカの脚を食べているものもいる。「魚屋だからエサがあるだろう」と考えた人が捨てていったのか、猫が自分でよってきたのか、いつの間にか40匹以上の猫が居着いてしまったらしい。

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山の人・海の人

「海の人は気が短い」という説について、菊池さんの持論を語った。 「山の仕事は、植えて、育つのを待って、収穫して、売りにいって、お金を得る。それに対して海の仕事は、海へ出て、魚なり貝なりをとって、かえってきたらすぐに売れる。そんな仕事のあり方を反映しているのか、極端にいえば山の人は慎重過ぎ、海の人はせっかちすぎるように思う」

商売について

私たちは旭洋丸水産の試食用干物をお腹いっぱい食べさせていただいた。 そのことについて、菊池さんは商売はそんなものであると語った。 曰く、将来私たちが大人になり、家族を持ったとき、買い物にきてくれればいい。実際、小さい頃に父親につれてこられて思い出に残っていたから、子供と一緒にまた来てみた、というようなお客さんもいる。私たちもそのようになってくれればいい。と。

ちなみに店の表面は菊池さん自身の手によって竹で覆われている。 これは、プロに頼むより安くあがるから、という理由のほかに、電話で店の場所を教えるときや、もう一度来たいと思ったとき、わかりやすい特徴となるという理由からでもある。

体作り論

「炭焼きの最大の目的は体作り」という菊池さんが、都会人の体作りに就いてアドバイスをしてくれた。 都会人は自宅・駅・目的地の間を歩いて移動するので、どこへ行くにもマイカーを使う田舎人よりも以外と足を使っている。だから体作りをするならランニングはしないで、腕立て伏せをするとよい。手軽だし、時間もかからないからだ。軽く50回×10セットでいい。


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Last-modified: 2009-07-07 (火) 20:53:30 (935d)